仕事と家庭を両立できる看護師の働き方とは

看護の仕事は家庭との両立が難しいと言われています。
今後はますます高齢化が進行し、看護師をはじめ医療従事者のニーズは高まる一方です。
他の医療従事者と同様、看護師も経験を重ねるごとにスキルが上がっていく仕事ですが、20代後半から離職者が急増し、一旦仕事を離れると復職する人が少ないという実態があります。
就職して数年~十数年で辞めてしまい、戻ってこない背景にはどのような現状があるのでしょうか。

まず、日本の医療サービスは先進国の中でも充実度が高く、救急医療機関などは24時間365日体制で医療サービスを提供しています。
充実した医療サービスを支えている看護師らは長時間、あるいは不規則な勤務体系を強いられながらも責任感や使命感を感じながら職務を全うしているのです。
しかしながら、そうした過酷な勤務が結婚や出産、子育てに及ぼす影響は大きく、仕事と家庭を両立するのは至難の業です。
そのため、結婚や出産を期に退職し、なかなか戻って来られないというのが実情のようです。

近年は仕事も家庭も大切にできる「ワーク・ライフ・バランス」という概念が浸透してきました。
日本看護協会ではライフステージに合わせて多様な働き方ができるよう「短時間正職員」や複数のスタッフで1人分の勤務時間をこなす「ワークシェアリング」「裁量労働制」などの多様な勤務形態を提案しています。
医療機関によっては院内保育を実施しているところや独自の休暇制度を設けるところも増えてきており、少しずつではありますが、働きやすい職場環境が整いつつあります。